「鹿児島の探偵解説」探偵業法と悪質業者の撲滅と業界の健全化を目指す
鹿児島の探偵ヒューマンリサーチです。探偵業には様々な魅力がありますが、一方で悪質な業者や違法な調査手法の存在も指摘されています。そこで登場するのが探偵業法です。本記事では、探偵業法がどのような目的で制定されたのか、その背景にはどのような問題があったのか、また業務内容や開業手続きなどについて詳しく解説していきます。探偵業や興信所を利用したい方はもちろん、業界全体の動向に興味がある方にも役立つ情報となることでしょう。
1. 探偵業法の目的
探偵業法は、探偵業の適正化と個人の権利と利益の保護を目的としています。具体的な目的は以下の通りです。
1.1 悪質な業者の是正
一部の探偵業者や興信所には、不正な営業活動や違法な調査手法が存在しました。探偵業法が制定されることで、このような悪質な業者を是正し、調査依頼者の権利と利益を保護することが目指されています。
1.2 業務の適正化
探偵業は特定の人物の所在や行動に関する情報を収集し、依頼者に報告する業務です。探偵業法によって、業務の適正化が図られます。具体的には、他の法令で禁止されている行為の禁止や個人の権利と利益の侵害の禁止が規定されています。
1.3 業界の信頼性向上
探偵業法の制定により、名義貸しの禁止や契約書面の交付、秘密の保持などの規定が設けられています。これにより、探偵業者の適正な運営が保証され、探偵業の信頼性が向上することが期待されています。
1.4 個人の権利と利益の保護
探偵業は、調査対象者のプライバシーや権利を侵害する可能性があります。探偵業法は、調査業務を行う際に個人の権利と利益を適切に保護するための規制を設けています。
探偵業法の目的は、探偵業の運営を適正化し、個人の権利と利益を保護することです。探偵業者は法律を遵守し、業務の品質向上と個人情報の適切な取扱いに努めることが求められます。
2. 探偵業法の背景
2.1 調査業界の問題
以前の調査業界では、悪質な業者による不適正な営業活動が頻繁に起こり、契約内容を巡るトラブルや違法な調査が頻発していました。これらの問題は、調査業者の倫理観や業務の適正性が保証されず、調査依頼者や調査対象者の権益が守られなかったのです。
2.2 探偵業法の制定
調査業界の問題を解決するため、探偵業法が制定されました。探偵業を営むためには届出が必要となりました。この法律は内閣府(国家公安委員会)が所管し、2007年6月1日より施行されています。
2.3 問題の具体化
探偵業法が制定される前の調査業界では、以下の問題が頻繁に発生していました: – 調査依頼者との契約内容をめぐるトラブルの増加 – 違法な手法による調査や調査対象者の秘密を利用した犯罪行為の発生
これらの問題は調査業界全体に対する信頼を損ない、調査業の健全な発展を妨げる要因となっていました。
2.4 探偵業法への期待
探偵業法の制定により、調査業界の不正な営業活動の根絶や調査業者の資質向上が期待されています。また、探偵業法により探偵業者には様々な規制や義務が課されるため、個人の権益が守られる環境が整備されることとなりました。探偵業法は調査依頼者と調査対象者の両方の権益を守るための重要な法律です。
3. 探偵業の定義と業務内容
探偵業とは、特定の人物の所在や行動に関する情報を収集し、その報告を依頼者に提供する業務のことです。この業務には、面接による聞き込み調査や尾行、張り込みなどの現地調査が含まれます。探偵業者は、公安委員会に登録されており、個人や法人が探偵業を営むために必要な資格を持っています。
探偵業務は、探偵業法によって明確に定義されており、業務の適正化が重要視されています。具体的には、他人の依頼を受けて特定の人物の所在や行動に関する情報を調査し、依頼者に報告する営業を指します。ただし、報道機関の依頼による報道目的の調査は、探偵業の対象外とされています。
探偵業の調査内容は、一般的には個人を対象としたものとされていますが、企業の信用調査なども取り扱うことがあります。主な調査内容としては、浮気や不倫の調査が一般的ですが、以下のような調査も行われます。
- 素行調査: 特定の人物の日常の行動や生活習慣などを調査すること。
- 所在調査: 特定の人物の現在の居場所を調査すること。
- 身辺調査: 特定の人物の家族や友人、職場などの関係を調査すること。
- ストーカー調査: 特定の人物に対するストーカー行為の調査を行うこと。
- 盗聴器発見調査: 特定の場所に盗聴器が仕掛けられているかどうかを調査すること。
探偵業の料金体系は、調査料(着手金や人件費など)、成功報酬、経費(車両費や交通費など)、手数料などで構成されています。特に人件費は大きな割合を占め、時間単位での料金が設定されます。また、複数人での調査の場合は、人数分の人件費が発生するため、調査費用は数万円になることもあります。
探偵業は、調査結果に基づいて依頼者が訴訟に踏み切ることもあり、そのため探偵と弁護士は密接な関係にあります。探偵業者と弁護士事務所の提携や、弁護士が探偵業を行うケースもあります。調査から法律相談までを一貫して提供するケースもあります。
4. 探偵業法による規制と義務
探偵業法には、探偵業を営む業者に対して様々な規制と義務が課されています。これらは、探偵業の適正な運営と個人の権利利益の保護を目的としています。
4.1 名義貸しの禁止
探偵業者は、他人に自身の名義を貸して探偵業を営業することができません。名義貸しは探偵業法で厳しく禁止されています。
4.2 契約時の書面交付等
探偵業者は、調査依頼者との契約時にいくつかの書面の交付を義務付けられています。具体的な交付物には、違法な目的に使用しない旨の誓約書や契約の要点を説明した重要事項説明書などがあります。これにより、調査の透明性と適正性が保たれることが求められています。
4.3 秘密の保持
探偵業者は、業務上知り得た秘密情報を第三者に漏らすことが禁止されています。この秘密保持義務は、業務中だけでなく業務終了後も適用されます。探偵業者は不正利用や漏洩を防ぐために適切な対策を講じることが求められています。
4.4 探偵業務の実施に関する規制
探偵業者は、他の法令で禁止または制限されている行為を探偵業務の実施において行ってはなりません。また、個人の権利利益を侵害するような行為も避けなければなりません。探偵業者は倫理的観点からも適切な行動を心掛けることが求められています。
4.5 業務に従事する者への教育
探偵業者は、従業員や使用人に対して探偵業務に関する必要な教育を行う義務があります。これにより、業務の適正な実施と法令の遵守が確保されることを目指しています。
4.6 従業員名簿の備付
探偵業者は、営業所ごとに従業員や使用人の名簿を作成し、必要な情報(氏名、生年月日、住所、業務内容など)を記載する義務があります。これにより、業務の透明性と責任の所在が明確になります。
これらの規制と義務は、探偵業者が適正かつ倫理的な業務を行うために不可欠です。探偵業法は、日本の社会において探偵業の信頼性と品質を確保するために重要な役割を果たしています。
5. 探偵業の開業と届け出手続き
探偵業を始めるためには、いくつかの手続きが必要です。以下では、その手続きについて詳しく説明します。
営業届出の必要性
探偵業を営むためには、探偵業法によって各都道府県の公安委員会への営業の届出が義務付けられています。この届出を怠ると、違法営業となり行政処分を受けることがあります。
届出書類と手続き
営業の届出は、営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会に提出します。以下に、届出書類の例を示します。
1. 探偵業開始届出書 – 探偵業を開始する旨を届ける書類です。
2. 手数料(3,600円) – 届出書類と共に手数料を納付する必要があります。
3. 添付書類
個人の場合 – 履歴書 – 住民票の写し(個人番号が記載されていないもの) – 誓約書(法第3条第1号から第6号に該当しないことを誓約する書面) – 身分証明書(市区町村発行) – 申請者が未成年である場合は、未成年者であることを証明する書類
法人の場合 – 定款の謄本 – 登記事項証明書(法務局発行) – 役員全員の履歴書、住民票の写し、身分証明書、誓約書
なお、営業所の所在地の所轄警察署長を経由して公安委員会に提出することが必要です。
鹿児島であれば、管轄警察署を経由し鹿児島県公安委員会に提出する事になります。
開業時の費用と選択肢
探偵業を開業するには、関連する費用を考慮する必要があります。以下に開業にかかる費用と選択肢を説明します。
探偵業界には多数の業界団体が存在し、加盟することで信用度を高めることができます。因みに日本で規模の大きさで指すなら一般社団法人日本調査業協会になります。
開業に向けた準備
探偵業を開業するためには、事務所と調査に必要な機材を準備する必要があります。事務所としては自宅を使用することも可能ですが、調査に必要な機材としては、パソコンやプリンター、撮影機材、盗聴器発見器、自転車、自動車などが挙げられます。
また、未経験者が直接開業する場合は、宣伝活動が必要です。自身の実力や信用度がまだ確立されていないため、下請け業務を受けるなどの方法も考慮する必要があります。そのためには、探偵学校で学ぶか、既存の探偵事務所で経験を積むことが有益です。
以上が探偵業の開業に向けた届出手続きや準備についての説明です。探偵業を始める際は、探偵業法の規制や義務を遵守しながら、しっかりと準備を進めましょう。
まとめ
探偵業法は、探偵業の運営を適正化し、個人の権利と利益を保護するために制定された法律です。探偵業者は様々な規制と義務に従い、業務の品質向上と個人情報の適切な取扱いに努めることが求められます。探偵業法により、悪質な業者の是正や業界の信頼性向上が期待されています。また、探偵業には開業に向けた手続きや準備が必要ですが、探偵業法の規制や義務を遵守しながら、しっかりと準備を進めることが重要です。探偵業は個人や企業のために重要なサービスであり、信頼性と品質を保つために探偵業法の遵守が不可欠です。
よくある質問
Q1. 探偵業を開業するために必要な手続きはありますか?
A1. 探偵業を開業するには、営業の届出が必要です。各都道府県の公安委員会に営業所の所在地を届け出る必要があります。
Q2. 探偵業の開業にかかる費用はどのくらいですか?
A2. 探偵業を開業するためには、事務所や調査に必要な機材の準備が必要です。また、フランチャイズ加盟や業界団体への加盟による費用もかかる場合があります。
Q3. 探偵業を開業するためには経験が必要ですか?
A3. 探偵業を開業するためには事務所や調査の経験が求められる場合もあります。未経験者は、探偵学校で学ぶか、既存の探偵事務所で経験を積むことが有益です。
Q4. 探偵業の開業時に業界団体への加盟は必要ですか?
A4. 業界団体への加盟は必須ではありませんが、信用度を高めることや人脈を作ることにつながるため、開業時に加盟することを推奨します。
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